特許庁へ殴り込み!発明副将軍

No.000016〜000020

No.000016 ('98.6.19) 「新しいひらがな」

本発明者は日本語に重大な欠陥があることを発見した。表記できない音(おん)があるのだ。外来語の表記に関しては、様々な工夫によって何とかこれまで問題無く来ている。例えばVa=ヴァというふうに。しかし、今回本発明者が見つけたのは、外来語ではなく、日本国内で古来から使用されている音なのである。この由々しき事態が1500年も放っておかれていたとは、今考えれば信じ難い。

さて、その音とは?「鼻で笑う」といった表現があるが、それをやってみてもらいたい。息だけではなく、音が出る強さで。さあ、その音を貴方はひらがなで書けるだろうか。『ふん』? いや、全然違う。『ふん』は糞であり、鼻で笑った時にそんな単語は聞こえないではないか。

鼻で笑う以外にも、鼻歌を歌う時とか、物を友人に渡してやる時(「ほれ」の代用)など、この音の活躍する機会は多い。にも関わらずこの音はこれまで表記できなかったのである。

そこで本発明者は、この音を表記するための文字を発明した。形を右上に示す。これによって、例えば従来、

太郎は「ふんふんふん」と鼻歌を歌った。

と無理矢理書いていたようなセリフ部分を、

と表記することで、文章に明らかに深みと臨場感が加わる。まさに文化を発明したと言っても過言ではあるまい。英語には既に「Hmmm…」という表記方法があった。日本文化がようやく欧米に追いついたのだ。これでノーベル文学賞も互角に争える。作家の皆さんには是非早いうちに使いこなせるようになって欲しいものだ。

                   

No.000017 ('98.8.28) 「糞霧器」 発明者 伯爵教授(糞臭大学)

下痢は辛い。排便が憂鬱になる。また、下痢便には便としての美しさが無いため、傍から見ている者も全く興ざめである。本発明者はこの下痢便について種々思索を重ねた結果、する者には楽しさを、見る者には美しさを与える、全く画期的な装置を発明した。

左図がその装置「糞霧器」である。装着は差し込むだけの簡単設計。あとは下痢便の粘度に応じてノズルを調整すれば、下痢便の苦しみはどこへやら。楽しい霧状の便の出来上がりである。また見る者も不快感を生じないであろう。さらに図のように、霧によって虹が見えた日には、一生ものの感動が得られること請け合いである。

本発明者はこの装置の欠点は「便所掃除」だと言うが、出願代理人の私の意見としては、全く取るに足りない問題であり、それよりもこの装置によって得られる楽しさと美しさで十分おつりが来ると思う。

また、もう一つの欠点は「コーン」だそうだ。これは私には意味がよくわからない。

                               

No.000018 ('98.9.29) 「耕糞機(挿入タイプ)」 発明者 はっしー(糞臭大学)

便秘は辛い。排便が憂鬱になる。前の発明が下痢便限定のものだったため、便秘の読者からの要望が出願代理人(私)にも大量に届いた。「便秘にも楽しさが欲しい」と。

ちょうどその頃、本発明者が出願代理人に新発明を持ってきた。タイムリーなことに、これがまさに便秘に楽しさを与える発明であったのだ。

右図がその装置「耕糞機」である。その名の通り糞を耕す機械であるが、本発明はわずか3cmの長さである。何故こんなに小さいのか。それは、肛門に挿入して使用するためである。操縦は本人がリモコンで行う。この耕糞機によって直腸で固まった糞を耕し、柔らかくして出易くするのである。

耕糞機には超小型CCDカメラが付いており、画面を見ながらゲーム感覚で糞を耕すことができる。何と言っても虚構ではなく現実の世界であるから、市販のゲームとはリアリティが違う。また、失敗すれば自分を傷つけることになるため、スリルも満点である。

この楽しみながら便秘を解消できる耕糞機で、便秘の人も救われるに違いない。ただし、いくら楽しいからと言って腸内探検をするのはやめていただきたい。発売前テストであるモニターが熱中し過ぎ、耕糞機を十二指腸付近まで持って行ったところで電池が切れ、開腹手術を余儀なくされた。

 

No.000019 ('98.10.20) 「肛門キャップ」

前々回は下痢、前回は便秘の人々を排便を楽しくする発明を公表したが、これを見た軟便の人からメールが来た。以下に内容を示そう。「下痢ほどは苦しくないにしても、軟便者の苦労も相当なものである。脱糞の危機に常にさらされており、腹部への衝撃によってパンツは容易に茶色に染まってしまうのである。是非軟便者のための器具を発明して頂きたい。」

本発明者は、軟便を苦しみから解放するとともに、排便を楽しくする器具を発明した。左図がその器具「肛門キャップ」である。黄色の筒状のノズルを肛門に差し、赤のキャップをしておけばもう安心。不用意な脱糞を完全に防止できるのである。

本発明は脱糞を防止するだけではない。賢明な読者は既にお気付きかと思うが、ノズルの穴の形を変えることによって、出す糞の形をいろいろ変えることができるのである。こんなことが出来るのは軟便者の特権であろう。穴の形は星型がスタンダードだが、他にもハート型、板型、うどん型、さらには使用者の好みの穴が開けられるセット「ノズルツクール」もあり、バリエーションは無限である。

今回までに下痢、軟便、便秘の人々を救うことが出来た。では快便の人々に排便の楽しみを与える発明は必要無いのか?という声があがってきそうだ。これに対する本発明者の回答は「不要」である。快便はそれ自体が至高の楽しみであるはずだから。

                            

No.000020 ('98.10.31) 「直糞エンジン」発明者 伯爵教授(糞臭大学)

No.000013「カートイレ・モレーヌ」では、尿は人知れず処理できたが糞の処理が課題として残されていた。しかしこの度ついに、糞をも誰にも気付かれずに処理できる機構が発明された。もちろんただ単に処理するだけではなく、例によって最大限の有効利用を行うのである。

屁に火を付けると爆発することは漫画等でよく知られている事実である。本発明者はこれに着目し、屁の親玉ともいうべき糞であれば、より多くの爆発性ガスを含み、すなわち、より強烈な爆発力が得られることに気付いた。これを利用しない手は無い。

右図が本発明「直糞エンジン」である。運転手が糞を直接エンジン筒内に注入して、爆発させてエンジンを回転させるのである。もちろん糞は跡形もない。もちろんガソリンも不要。エコノミカルかつエコロジカルな素晴らしい発明である。

これまでの試作機では、エンジン回転初期には、せっかく出した糞が前の糞の爆発時に逆流して肛門内に戻ってしまうという現象が確認されている。但し、この後に運転手の脱糞力は初期のおよそ3倍になるため、軌道に乗ってしまえば大丈夫である。

                                   

No.000011〜000015 No.000021〜000025

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